近いようで全く違う!ホテル業界と他サービス業界との違い ー飲食業界編ー
ホテル業界と飲食業界を取り巻くサービス業界のなかには様々な業種がありますが、今回はホテルと飲食に注目してみました。
ホテル業界
ホテル業界の大卒新卒社員の給与は20万円前後、平均給与は500万円から600万円前後です。また、平均勤続年数はどの業界よりも低いと言われています。その背景として、年収的には一般企業の平均とあまり変わらなくても、不規則な生活になりがちで体力的にハードと感じる人が多いようです。
また、サービス業務には絶対の正解がないため、精神的にもハードかもしれません。お客様に快適に過ごしていただくためにきめ細かなサービスの提供が必要です。同じお客様でも前回とは違うサービスを要求されることも多く、常にお客様に対して何がベストなのかを考えなければいけません。
そして、この業界特有なのは転職してキャリアアップすることです。新規ホテルの開業に伴い転職することもありますし、ホスピタリティーを活かして他の業界に転職することもあります。
飲食業界
飲食業界も同様のことがいえます。大卒新卒社員の給与は20万円前後、平均給与は400万円後半から500万円台です。シフト制のことがほとんどで、平均勤務期間が短く、離職率も高いです。そんな中、外食産業のなかの1社であるリンガーハットの従業員平均勤続年数は18年で、これは他業界のキャノンや日本たばこ産業と同水準です。
この平均勤続年数は外食産業としてはトップレベルの長さです。また、同社は正社員を60歳定年から65歳に延長し、定年以後も以前と同党の賃金と賞与を与えることを決めています。高齢者社会と言われている今だからこそ、シニアを活用しているのがこの会社の良いところだといえます。
そして、どちらの業界も影響を受けているのが訪日外国人の増加です。平成20年以降、世界的な景気後退があり、原油価格の高騰など経済が悪化し、さらに東日本大震災によって訪日客は減少しました。しかし、東京スカイツリーや渋谷ヒカリエ、日比谷ヒルズなどの商業施設が増加したことによる国内旅行者が増え、平成25年からビザ緩和による訪日客が増えたことで景気が回復しました。そういった要因もあり、ホテルの稼働率が上がりました。ホテル業界はこの増加し続ける訪日外国人客に対応するために、外国人を雇用しなければいけないでしょう。外国人を雇用するメリットとしては、働かなければいけないという気持ちが強いことです。しかし、ビザによっては労働時間数に限りがあるのも現状です。しかし、限りがあるからこそ、その時間数の最大限まで働きたいと思っている方が多いです。その上、毎週固定の曜日と時間で働いてくれるため、シフト管理が非常に楽です。
現状、時給や条件によって日本人を採用することは難しく、外国人に頼らなければならない状況です。ホテル業界は人手不足と言われていますが、今後は日本人のみでなく、外国人も多く採用する必要が出てくるでしょう。政府は2020年に訪日外国人4000万人という目標を掲げており、今後も訪日外国人客の大幅な増加が予想されます。私たちは、シニアや外国人と協力しながら働いていかなければいけないという課題に直面します。そのためにも今からどのようにして一緒に働いていくか、どのようなサービスをしたら訪日外国人客は満足してくれるか考えなければいけません。また、質の高い外国人を採用し、おもてなしをともに学んでいく姿勢や対応が必要になります。