知っておくべき日系ホテルと外資系ホテルの違い【働き方編】
皆さんは仕事を探している際に何を重視しますか?
旅館のようなアットホームな安心感や、普段味わうことのできない特別な空間、高級な空間での美味しい食事を提供している、観光するのに便利な場所、人によって選択肢は様々だと思います。今回は日系ホテルと外資系ホテルというカテゴリーで分けてみました。
日系ホテルと外資系ホテルとは
日系ホテルの御三家には帝国ホテル、ホテルオークラ東京、ホテルニューオータニがあります。この名称はバブル期に始まったものです。これらのホテルは過去から現在まで多くの著名人に愛されており、久兵衛のような日本が誇る飲食店も多く出店しています。帝国ホテルにおいては、ランドリーサービスやホテルウェディングなど、現在では当たり前に行われているサービスの発祥としても有名です。日系ホテルの場合、所有も運営面も直営でおこなっていることが特徴的です。直営であるメリットは、外部に委託できるハウスキーピング等も自社で仕切っているため、きめ細かなサービスをお客様に提供することができます。
その一方で、日本に進出している外資系ホテルの場合は、所有者と経営者が別々なことが多く、運営を外資系企業が担っている場合が多いです。例えば、ザ・リッツ・カールトン東京の所有権は三井不動産ですが、運営権はザ・リッツ・カールトンカンパニーL.L.C.にあります。この場合、運営側は海外進出のリスクを軽減できるため、日本進出を加速できることがメリットです。そして外資系ホテルの強みはブランド力です。訪日外国人は馴染みのあるホテルの方が宿泊しやすいのが現状です。その上、外資系ホテルの特徴は会員制のプログラムがあることでしょう。ステータスによって客室のグレードアップができたり、ラウンジが利用できます。
次に、働く上でどのような違いがあるのかをお伝えします。大前提として日系と外資系では社風が違います。社風が違えば、自然と従業員の働き方も変わってきます。お客様へのサービスのみでなく、会社からの評価基準、従業員同士の関係性も違うことが多いです。
規律と自己主張
まずはじめに、仕事をする上で必要な「規律と自己主張」です。日本は古くから上下関係を重要視しています。しかし外資系の場合、規律性も大事ですがしっかり自己主張できるかを重要視しています。キャリアアップのため転職組が多い外資系では、「自分はこのようなことが出来ます」「こうした方がもっと効率的になる」といった発言が昇進に繋がります。日本人の性格として、「自己主張が強すぎると組織の輪を乱してしまうのではないか」と考えがちですが、外資系では根拠をもった自己主張をしていった方がキャリアップが早いかもしれません。
プロセス基準と成果基準
次に評価基準の違いです。まず外資系は従業員を評価するにあたって、「成果」を重要視しています。自分の業務に対して目標設定することは日系も外資系も同様ですが、日本は「教育」という文化が深く根付いており、上司や先輩が丁寧に仕事を教えてくれます。後輩や部下が出来ていなければ、その上の者が出来ていないと判断されることもあります。こういった意味では、日系で働くことは成果というより、成果を出せるまでの過程においてどれだけ努力して、成長したかが大事です。
それに対して外資系企業は、自分の立場と成果をしっかり考えています。それもあり、外資系では成果を残せなければリストラされることもあります。年功序列という思考は無く、10歳20歳も年が違う人が上司や部下になることも多々あります。これだけを見ると大変な気もしますが、大変な分、それに伴って給与も高く設定されています。
最後に、日系ホテルと外資系ホテルの違いを書かせていただきましたが、全ての企業にこの記事の内容が当てはまっているわけではありません。各ホテル、考え方や従業員への教育方法・採用基準は違います。しかし、ホテル業界としてお客様へのおもてなし精神はどのホテルも持っています。お客様に良いホテル・旅館と感じてもらうために、従業員がどのように業務に取り込んでいくのかが大事です。
今回は評価制度や組織内においての規律の2点をお伝えしましたが、他にも様々な点で違いはあります。そこはまた次回の記事でお伝えしようと思います。また次回を楽しみにしていてください!そして、宿泊業界への転職・就職に興味がある方に向けて、一つの判断材料にしていただければ幸いです!